川崎町:有耶無耶の関跡(うやむやのせきあと)

笹谷街道は、平安の時代から太平洋側の奥州と日本海側の羽州とを結ぶ重要な街道で、歌枕にも詠まれていいます。
関跡は、宮城県と山形県の県境の標高906mの笹谷峠にあり、みちのくの難所として聞こえ、「いなむや」「ふやむや」「むやむや」などの名称でも呼ばれていました。「義経記」にある「伊那の関」、「吾妻鏡」にある「大関山」は、この有耶無耶の関だと考えられています。
笹谷峠は昔から難所として知られていたためか、この峠には山鬼が住んでいて、人を取って食らっていたといわれていましたが、いつのころからか仙台側の「無耶の観音」と山形側の「有耶の観音」の霊鳥が峠に住み着き、鬼がいる時は「有耶」、いない時は「無耶」と鳴いて旅人に知らせたというような伝説が残っています。
所在地:宮城県柴田郡川崎町今宿字山岸
